経済産業省の教育産業室長で「未来の教室」とEdTech研究会の推進役とされる人と、株式会社POPER代表取締役CEO(塾の先生の業務効率化が業務らしい)との話。
全体的な論旨は納得できるものだが、一部気になるところも。
○「学びの生産性」の高さ
経産省室長曰く「自分で見つけた課題の解決策を、自分で見いだしていく。自分が学びたいテーマを、学びたいときにワクワクしながら学んでいく。学ぶ内容の価値が高く、学びに費やす労力に無駄が少なければ、それは学びの生産性が高い」というのは納得できる話。
これこそICTがなければできない学びと言える。自分たちの頃はせいぜい図書館しかなかったが、それも県庁所在地のとこまで行こうと思えば一仕事になるような時代だったし。今の時代に小学生をやっていたら、色々違ったのかな・・・
CEO曰く「子どもの学びの生産性が高いということは、先生にとっては「より価値の高い内容を、より短い時間で学ばせた」ということ。先生にとっての「教えることの生産性」が高いわけです。」というのもあるべき姿だろう。ただそうなると、一斉授業じゃどうにもならない。生徒の理解力や理解スピードは異なるのだから、それこそAIなどを導入して活用していかないと。
○学ぶ価値がない?
気になるのは以下の点。
「生きる上での何かの判断に役に立たない学び(歴史年表とか)なんて、学ぶ価値がないわけです。「テストの点数を取るために、あらかじめ設定されている回答に向けて、計画を立てて最短ルートで合理的にゴールまで進む」という能力は、たしかに社会に出てからも役には立ちます。しかし、「自分で問いを立てる」「世の中のニュースや通説が本当に正しいのかを疑う」といった能力は全く身につかない。」
言いたいことはわかるけど、「学ぶ価値があるかないかを、経産省が決める」という意味に取れるぞ。それを言い出したら、基礎的・体系的な学びをしなくていい、とならないか?
それにそもそも、予測できない未来に対応できる人材を育てるのがこれからの教育なのに、現時点で「学ぶ価値のある・なし」なんて、それこそ決めれないのでは?
自己矛盾のように思えるのだが、どうなんだろう。
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