月曜日の文科省課長の説明内容が、フォローしてるTwitterの教育ICT系の人には評判が良いようだ。 学校現場目線と、本庁で文科省とやり取りしている立場の目線では、かなり違う感じ。 月曜日の話は、まるで「文科省は教育ICTをずっと推進してきたのに、自治体が怠けていて進まない」といった感じだったが、全然推進してきてないでしょう。
これまでのGIGAスクールの文科省のグダグダを直接知らない立場だと、文科省はよくやっているように見えるのかね~
文字起こししている人がいたので、概要はこっちからわかる。
文科省もポーズとして言っている部分もあるんだろうが、全く自省ないまま言われると違和感が強い。
何言ってんだと一番思うのが、こういったICT関係の補助金なんてこれまで作ってこなかっただろ、という点。補助金を作ってたのに自治体が全く乗ってこなかった、というなら話は分かる。(有線LAN工事だけは、施設整備補助金の1要素としてH30まではあったけど)
GIGAスクールの補助金だって、自治体からあれだけ「基礎的な積算がおかしい」「スケジュールが無理だ」「補助要件の使い勝手が悪すぎる」と散々なのに、全く内容変えないし。そのくせ面倒な書類事務だけはてんこ盛り。
逆に、経産省はEdTech補助金をあっという間に作ってしまった。文科省はICTを言い出した頃から10年かけてもこういったソフト対応は全くできなかったのに。
もう1つ、セキュリティポリシー関係。
更には、既存のルールにとらわれず臨機応変に、ということ。これはですね、一番わかりやすいエピソードが、セキュリティーポリシーガイドラインなんですが…いつの間にかセキュリティーを守ることが目的化してしまって、どんどんセキュリティーが強まっていった。 当然ながらセキュリティー強めれば強めるほどセキュリティーは守れるんですけれども、本来の目的であったICTを使うということが全然使えなくなっている。動画が見れなくなる。いろんなものが活用できなくなる。 これ、最終目的じゃないはずです。 ルールを守るということは、最終目的ではありません。 特に今回のような時、いや先生がUSB持ち帰るにしても、いや、先生がパソコンを使うにしても本来こういうルールがあったら、本来こういう使い方、本来こういう承認が必要だな。 今危機的な状況ですから、臨機応変な対応が求められます。それが危機管理です。それをしっかりと対応していただくと。 それをぜひ教育委員会の方々、もしくは学校の管理者の方々、管理職の皆様方。ぜひ頭を180度変えて頂きたい。なんでも取り組んでみてください。
いや、言っている趣旨は理解できる。わかるけど、所詮は現場の実務や責任を負わない立場で気楽に言っているなー、という感じ。
そりゃセキュリティ要件を撤廃して、「職場PC持ち帰っていいですよ~。USBメモリ自由に使っていいですよ~。フィルタリングやFWの設定を全解除するので、自由に好きなソフトウェア使っていいですよ~」としていいなら、そりゃこっちだって楽だよ。
でもそれでインシデント発生しても、責任取るのは自治体でしょ?「非常時だからこそ、実施できるギリギリのラインの見極め」こそが自治体の責任でしょう。文科省として言いたいなら、「セキュリティインシデント発生しても、非常時だから気にせずやりましょう。全責任は文科省が負います。」くらい言うなら認めるが。
あと、「自治体が国ガイドラインを守りすぎている」というのも、こいつ何言ってんだというところ。守らなくていいなら、最初からガイドラインなんて提示するなよ。ガイドライン作成時は、文科省としてベストだと考えたからこそ自治体に提示したんだろ。
それを今になって、「あれは守る必要がないものだ」とか、いい加減すぎる。
全般的な自治体サポートとしても、総務省くらいやっているなら理解できるが、なんもやてないでしょ。
今後、文科省が「教育ICTの遅れの責任は全て自治体にある」というスタンスを強めてきそうなので、要注意である。
Comments