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【記事】「教育情報化コーディネータ 1級」の田中さんに聞く“ICT導入で目指す授業改革”


「教育情報化コーディネータ 1級」は日本に5人だけの教育の情報化や情報教育推進の専門家。情報教育活用協議会によれば、1級のレベルは「教育情報化コーディネータとしての豊富な経験をもち、国や都道府県レベルの長期的な計画を 設計・助言できる。教育情報化コーディネータの指導者として活躍していける。」ということ。2000人以上の3級者と200人強の2級者がいる。


・ICTを使ったことがない教育現場が、自ら明確な目標を設定するのは難しい。必要になるのが自治体や学校のICT化を俯瞰して全体的に捉えてアドバイスできる人と、明確な目標。教育情報化コーディネータのような知見のある人。そして「ICTを活用した授業改善」。


タキソノミーというのは、ブルームが提唱した学習目標分類(Taxonomy:タキソノミー)のことで、知識や思考力の概念に枠組みを与えるもの。


田中さんのタキソノミー・テーブルは、低次の学習・認知スキルから高次の学習・認知スキルまで学習目標が6段階に(1)記憶する(2)理解する(3)応用する(4)分析する(5)評価する(6)創造する、と設定されています。そして、この6段階に対応する「学習活動の動詞」と「学習活動の段階 ICTの活用基本的な考え方」を設定しています。


20世紀に日本で成功したとされる学びは、「記憶」して「理解」して「知識」にする、というもの。マークシート方式の入試では、これらが問われました。タキソノミー・テーブルで確認すると2段階目までの学習レベルの中で能力が問われてきたことになります。つまり、答や答の出し方を記憶する教育だったということです。


新学習指導要領では、「生きて働く“知識・技能”の習得」、「未知の状況にも対応できる“思考力・判断力・表現力等”の育成」、「学びを人生や社会に活かそうとする“学びに向かう力・人間性”の育成」が3本柱。“思考力・判断力・表現力”の育成を求めているところに注目。

“思考力・判断力・表現力”こそ、タキソノミー・テーブルの高次に位置する、(3)応用する(4)分析する(5)評価する(6)創造する、学びが必要。


20世紀の教育はほとんどがレベル1の“記憶する”が中心。これからは社会活動でも入試でも1から6までのレベルが求められるので、それを授業でどのように実現するかということが問われる。ICTもただ使っているだけでは学びの深化に役立ちませんが、タキソノミー・テーブルに照らし合わせながらどう使ったら高次の学びに繋げられるかという視点で指導案作りに取り組めば、学習活動の充実に役立てることが出来る。


例えば、タブレットPCを持って街に出て名所の写真を撮ってきただけでは、レベル1の“記憶する”だけ。しかし、「ふるさと紹介のチラシ制作」の授業にして、取材~情報収集・Web検索~グループで話し合い~PCを使ってチラシを作成~発表~評価~改善~配付~第三者評価を聴く、という流れにすればレベル6の“創造する”まですべての段階を含んだ授業になる。


・学習活動充実のためにICTを活用するという事が大切。1人1台でなくてもPC教室で出来る。でも1人1台なら、もっと学びが深化できる。コーディネータの役目は、ICTだけでなく教科や単元の指導案作りまで含む。学びとICTを結びつけて“授業改善”を進める。

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