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【3月29日】国の動きなど

 文科省のこのプロジェクト、色々な意味で大盛り上がりである。どこに着地させるつもりなのか、注目。


 余裕があれば読む・・・と思って読まない気がする・・・

 土日に登録した色々なオンラインのものも、最近はダウンしたまま見れてない・・・


 ざっと読んで異論はないけど、これを「実務」としたときに、いったい誰がこれだけのことをできるというのか。

 ハード整備は業者丸投げでも何とかなっても、ソフトはそうはいかないぞ。


1.ニューノーマルにおける初等中等教育の姿

(1)新たな学びの在り方

○ 教育のデータ駆動化が重要。医療分野等と比べ、教育分野はデータ駆動化されていない。

○ 個別最適な学びと協働的な学びの実現するため、一人一台端末の配備、CBT、デジタル技術の活用など、データ駆動で教育システムを変革する必要。その際、データの標準化、コンテンツの共有、個人情報の取扱いの明確化にも取り組む必要。

○ 予測不可能な時代(VUCA World)が来るので、「Society 5.0に向けた学校ver.3.0」の想定外と向き合う力等を育成する必要。教師主導の一斉授業(チョークとトーク)から、子供が学習をコントロールする学力観や授業観の転換が必要。

○ 本来物理世界ではできないことをバーチャルな世界で実現するデジタルトランスフォーメーションは、教育ではほとんど起こっていない。学び自体を変える観点が大事。

○ これからの学びは、ティーチングからコーチングに変わらなくてはいけない。コンピテンシーベースで学ぶのであれば、学習者主体を基本に構築していく必要。

○ 子供が能動的な学び手になり、STEAM教育、実験や体験を重視し、先生はラーニング・オーガナイザーとして学習を組織する存在になる必要。

○ GIGAスクール構想を踏まえた情報化・ICT活用の基礎固めや、新学習指導要領(特に主体的・対話的で深い学び)の実施・実現を踏まえ、更なる発展・深化の必要。

○ 学習指導要領では、情報活用能力が基盤となる資質・能力として位置づけられていることを考えると、これを満足に実行できる学校を支援する体制が必要。

○ 時代の変化に対応できる「教授・学習の様式」の変容が求められる。課題発見・問題解決型で体験的・実践的に学び、教科・領域横断型の学び、学校全体・地域も含めた取組が必要。そうした学びを生徒自らができるよう、教師がガイドする必要。


(2)対面と遠隔・オンライン教育

○ ICT活用、対面プラスICTによる学びのハイブリッド化は、教育を発展させる好機。

○ 1人1台端末=個別AIドリルでなく、探究や協働も一緒にやっていく個別最適と協働性の両面にかかることを普及する必要。協働的な学びの効率化や成果にICTが良いとのエビデンスを出していく必要。

○ 子供たちがクラウドの共同編集等のツールを使い慣れ、先生が授業できるようにならないと、DX は起こらない。情報端末を各学校・各設置者において、しかも、学校の中だけでなく、家庭でもどんどん使うことを応援する機運を作ることが重要。

○ 観点別評価の中でも、特に主体的に学習に取り組む態度は「本質的な問い」等をある程度入れないと評価できない。主体的・対話的で深い学びや探究、生徒主導の時間が一定程度必要。ICT活用の評価も、児童生徒の学びの評価に落とし込んで促す必要。

○ デジタル化でできることと、人間しかできないことを仕分けする必要。また、教育

のDX化、デジタル化の良し悪しを精査するための実証実験の事業をつくるべき。


(3)個別最適な学びと協動的な学びの実現

○ 「個別最適な学び」とは、①学習者の特性や学習進度、学習到達度などに応じ、指

導方法・教材や学習時間などの柔軟な提供や設定、②自らの学習状況を把握し、学習

の進め方について工夫し、調整しながら粘り強く取り組む、③興味・関心に応じ、課

題の設定、子供自身による情報の収集、整理、分析、まとめ、表現などを行う、主体

的に学習を最適にする学び。指導の個別化や学習の個性化を教師視点から整理したも

のが「個に応じる指導」で、学習者の視点から整理した概念が「個別最適な学び」。

○ 「協働的な学び」は、①同一学年・学級はもとより、異学年間の学びや他の学校の

子供たちの学び合い、②同じ空間で時間をともにすることで感覚を働かせながらお互

いに刺激し合う、③様々な場面でリアルな体験を通して共に学ぶということ。

○ 「個別最適な学び」の成果を「協働的な学び」に生かし、さらにその成果を「個別

最適な学び」として還元する。両者の実現こそ目指すべき新しい学び。

○ 個別最適な学びには、協働的な学びも入っていると思うので、教科の特性に相応し

い学びを研究する必要。言葉の定義の統一も必要。

○ 中教審答申の個別最適な学びが、個に応じた指導に特化していることにとても違和

感がある。「『孤立した学び』に陥らないよう」「集団の中で個が埋没してしまうこ

とのないよう」という言葉は、一斉教授型の中で押しつけの学びが前提にある発想。

学び合いの中で知識・技能を習得していく授業スタイルに変えていく必要。

○ 数学の教材や学ぶ手法を子供に選ばせたところ、140時間の半分の約70時間で

終えることができた。一番重要なのは、子供の主体性。自分の意思で学び合ったり相

談し合ったりするという、世の中に出てから必要になる学び方を学び、学力も上がる。

○ リソース配分を全体で見直す時期。お金の使い方について、オンライン化やデジタ

ル教科書はPDFでどこまでいけるか検討する必要。また、時間の再配分の裁量につい

て、どう現場に委ねていくのか考える必要。


(4)学びの継続・保障のための方策

○ 教育データを効果的に活用し、一人一人の子供に丁寧な指導・支援ができる仕組み

を構築する必要。各市町村が教育データを活用できるような学習プラットフォームに

ついて、国が早急に整備する必要。

○ 学校でも家庭でも共通して使えるオンラインの学習システムが必要。学習の定着度

を一人一人確認して、データの蓄積を図り、次につなげていただきたい。

○ 動画授業サービスの利用率を調べたところ、年間平均視聴時間が一時間に満たない

学年もあった。いいコンテンツがあっても、サポートする仕組みがないと機能しない。

○ 特に高等学校の場合、通信制で許可されているオンライン活用と同様の仕組みを全

日制でも実施できれば、全日制を継続して卒業単位を満たせる可能性が高まる。

○ ひきこもりや不登校・いじめの対応のため、子供の表情、健康や行動のデータをラ

イフ・ログとして取ることでビッグデータとなり、AIで未然・再発防止が出来る。


(5)デジタル教科書・教材・コンテンツ

○ デジタル教科書について、各教科などの授業時数の2分の1に満たないことや、紙

の教科書との併用が原則といった法的な制約があるため、こうした基準の緩和や無償

化、著作権の無償使用の措置を検討いただきたい。

○ オンライン指導が有効に機能する場面でデジタル教科書等を積極的に活用し、対面

では学び方を積極的に体験させるカリキュラム・マネジメントが必要。

○ 教科書自体のコンセプトを考え、指導案、単元計画など、学習環境と教員を支える

システムが変わっていく必要性を具体的に提示する必要。

○ ICTに関わる教材、コンテンツや指導法の開発・共有を促進していく必要。



(6)学びの多様化等

(履修主義と修得主義)

○ 履修制から修得制へ変える時であり、ICT を活用した新たな学びを構築する必

要。両者を二項対立でとらえるのでなく、修得主義に近づけていくために何が課題か

整理し、合意の下に課題を解決していくことが大事。

(大学教育の先取り履修)

○ 大学教育の先取り履修は、高校生から「高いレベルの授業が体験できモチベーショ

ンが上がった」「自分から身につけていくスタイルの講座が楽しかった」との評価が

あり、広げたい。

○ 先取り履修は今もできるが、活用されない。生徒がその大学に受からないと、単位

が生きないため、その前に受験勉強となる。

(飛び入学、修業年限)

○ 修得主義に向けていくのは、カリキュラムを個別化していくことであり、対応する

制度改正がどこまでできるか。飛び級しても卒業資格がもらえない点が課題。

○ どんどん進んだ学習ができる子供が飛び級対象になっていく現実が目の前に出てき

ている中、卒業資格をどう考えるかという問題は早く解決してほしい。

○ 飛び入学制度を国がつくった以上、高校卒業の単位にふさわしい認定ができるかが

大きなポイント。この落とし穴を埋めて、教育上前に進める制度に整えてあげる必要。

○ 突き抜けた能力を持っている人たちを、AIの時代に生かしていくことが大事。規制

を外し、多様性の中で飛び級や能力を生かすことをやるべき。

○ 教育再生実行会議の第五次提言は、能力の高い人は早期卒業できる一般的な制度を

作るとの趣旨だったが、中教審答申では、飛び入学者への特例になっている。その後

全く動きがないのは残念。高校教育の柔軟化・特色化の一環として検討してほしい。



2.新たな学びに対応した指導体制・環境整備等

(全般)

○ きめ細かな指導にICTの学習ログが使えるし、学ぶ力がどこまで育っているかを見

るためにも、きめ細かな指導とICTの活用は同時に検討されるべき。

○ ICT等を活用して個別最適な学びや協働的な学びを更に深める上で、教師の数と質、

学びを深める中で出てくる格差の拡大の問題、学びの状況と格差等の拡大に関する状

況を把握・改善するためのデータの重要性がポイント。

○ 少人数だけでなく、ICT、教員の力量、空間・時間、システム全体の改革が重要。

○ 少人数学級化を位置づけつつ、教科担任制、少人数指導、チーム学校、働き改革を

関連させ、総合的、全体的に推進を図る必要。Society5.0時代の学校は、多種多様な

変化や社会のニーズに対応する高い教育力を保持した組織が求められる。

○ 少人数学級を進める上で、①校長のマネジメントの向上、②ソーシャルワーカー等

の多様な専門家の増員、③質を伴った教員増ができるよう免許制度を含めてオープン

なシステムに変える検討が必要。

(1)少人数によるきめ細かな指導体制

(必要性)

○ 学級の密を回避し、GIGAスクール構想による個別最適な学びを効果的に実現する

ため、教師の目が行き届く少人数学級化は絶対条件。

(効果)

○ 少人数学級の効果として、児童生徒と接する時間を十分確保できる。より一人一人

の状況を把握しやすく、指導の充実、負担軽減につながる。従来、小学校6年間単学

級の学校もあり、人間関係が固定化する、いじめにもつながるという弊害があった。


(2)GIGAスクール環境の整備

○ 端末を家庭で使う場合、保護者の理解も得られるようPRや広報の場を設ける必要。

○ 家庭での端末利用のルールについて、トラブルにならないよう、学校・生徒・保護

者間で事前に共有することが大切。

○ 教育用アプリケーションの開発には、民間の力が重要。各々に適したアプリ・教育

方法をどう開発していくか。次のステップとして留意してほしい。

○ Wi-Fiの工事のような学校の環境整備では、柔軟な予算措置が必要。

○ ICT支援員の配置拡充が必要。

○ ICT環境が自治体間で統一されると、コスト低減、教員の負担軽減等につながる。

○ 各自治体が別々に調達・運用しているので、どう統一していくかも問われる。文部

科学省が中心になって基盤を整える前提のところまで整理し、各自治体がプロポーザ

ル等により端末を選ぶなど、スマートシティと連携したGIGAスクールとしてほしい。


(3)教室・施設環境

○ 紙の教科書・教材と情報端末の同時使用に対応した、十分な広さの学習机の提供が

望ましく、また、充電保管庫の設置により、教室が手狭になっている。

○ 一人一人端末の導入に当たって、机と椅子の在り方を改善していく必要。多目的、

オープンスペースの更なる普及促進が必要。特別教室は、使い勝手が悪い形になって

いることが多く、工夫改善が必要。

○ 学校施設の多くが一斉に老朽化し、更新時期を迎えており、災害や感染症の発生へ

の安全・安心の確保についても、大きな鍵。学校施設の老朽化対策を含めた長寿命化

計画の戦略的な推進が求められる。


(4)教師の質の向上

(資質・能力)

○ リアルな授業が面白くならなければ、オンライン授業はもっと面白くない。探究的

に学ぶ機会を充実する必要があるが、万人に合うカリキュラムはない。児童生徒が自

分に引き寄せ、自分事に捉え、興味を引き出すファシリテーション力をつけるべき。

思考の高度化を促す「本質的な問い」を軸にしたカリキュラム・マネジメントが必須。

○ 授業をデザインする力、ICT活用スキル、フォローする力を伸ばすことが必要。

(養成)

○ ICT教育をしっかり理解してもらう教員養成科目を新設すべき。大学入学共通テス

トに情報Ⅰが入った場合、教員養成系大学で強く受験を推奨するなどの仕組みも必要。

○ BYODによる端末とプリンターの必須化、「必修情報科目」を「校務の情報化、教

科等の指導におけるICT活用、情報活用能力の育成」を網羅したものに転換、3OS

(iOS、Windows、Chromebook)の実習、教育実習でICTを活用した評価授業の義

務化が必要。

○ 教育実習後に希望者がボランティアで現場に行っても、単位換算されないので、制

度的に保障する必要。

○ 教員養成課程の教員が減る一方、学生に教える内容はすごく増えており、教員養成

系を充実させるか、免許法に手を入れるほか、コンピテンシーベースに変える必要。

○ 教職課程で「教育格差」を必修化すべき。現在の「教職コアカリキュラム」は修正

されるべきで、教職科目を担当する大学教員の認定基準の見直しが必要。


(研修)

○ 体系的な研修システムの構築、計画的な研修プログラムの展開が必要。

○ 教員研修こそオンデマンドが適している。いつでも学べるようにすることが大事。

○ 教員に納得感がないと効果が上がらない。ICTの効果を実感してもらうため、私学

も含めた全国の先進事例も共有・活用してもらい、体験を積んでいくことが重要。

○ 現職教員の大学院でのリカレント教育をもう一度本気ですべき。

○ 指導主事への中央研修・伝達講習は、学力観・授業観、効果的なICT活用・授業設

計の理念を組み込む。現職研修は、映像等も交え良い授業のイメージを共有する必要。

○ 教員の役割を「ティーチャー」から「ファシリテーター」に変えるため、県で統合

的な研修(授業デザイン、PBLを取り入れた単元計画の作成等)を実施。5年間で全

教職員の受講を目指し、指導主事、校長、6年目、7年目以上の研修を順次実施。

○ 指導案の設計を変更すると、主体的・対話的で深い学びと複線化、個別最適な学び

を実現できることが研究で分かっている。

○ 教員の2つの専門性(各教科等に精通、モチベート・ファシリテートする能力)か

ら、各教科に紐づいた免許・指導法・時数は見直す必要。学校を離れての研修は最小

限にし、オンライン研修に組み換え・統合すべき。一方、在校のOJTは重視すべき。

○ 主体的・対話的で深い学びの研修も地域や学校間格差はあり、教育委員会の研修等

で分かりやすく伝える必要。校内研修で切磋琢磨し、外部と連携した体制も必要。

○ 個別最適な学びでは、子供が気づいたり発見したりしているものに一緒に共感でき

る資質を教師自身が持つことが大事で、研修で身につけることが大事。

○ 研修をやったからと言って、その教員が優秀かと言うと、現場はそう思っていない。

○ 責任と権限が現場にある規制緩和の方向に動く必要。自立型の組織や教員になる必

要があるのに、上からのお達しが来るのを待っている構図は大きく変えるべき。

(免許更新)

○ 免許更新でICT活用指導力やファシリテーション能力等をつけられるよう、研修の

請負機関の幅を民間に広げ、校長が許可すればOKとする制度の見直しが必要。

○ 免許更新講習について、大学と教育委員会が連携し、ICT活用や探究型の学びの研

修を行う必要。開放制の大学全てが行っていく情報の普及や、取組を一緒にする必要。

○ 免許更新のため、非常勤教員の雇用に苦労している。免許が切れていて、非常勤で

働くのなら免許更新しない方が多く、優秀でも雇えない。

(その他)

○ ものすごく能力が高い人が公立校の教師になりたいと手を挙げてくれる社会にすべ

き。まずは、どのような人たちが教師になってきたか実態を把握する必要。

○ いい人材を確保するため、給与を全体で上げるか、差をつけるかなど、モチベーシ

ョンを上げる方法も考えてほしい。

(5)多様な人材の活用

○ 学級規模の縮減の効果が一定程度にとどまらざるを得なかったことは、スタッフの

配置に資源を振り向けることができなかった面もある。学級規模を縮減しつつ、少人

数指導の体制を整える戦略が問われる。二者択一の陥穽に陥らないようにする必要。

○ 小学校高学年教科担任制等が入ってくると、一人の先生がいろいろなクラスを見る

ため、学習ログである程度その子たちの実態をエビデンスで把握して指導する必要。

STEAM教育も外部の方の参入が必要になるため、ネットワークが有効に機能する。

○ 教員採用は困難を極め、特に理系と英語、情報は大変。教員以外の人材で学校を支

援する必要。義務教育費国庫負担金の支出対象の緩和など、予算確保できる仕組みを

考える必要。

○ 教員の確保が難しい。英語は海外のマンツーマン授業に一部変えるなど柔軟な対応

が必要。

○ 特別免許を申請するため、学校は授業枠を空け、本人は前職を退職しなければなら

ないが、免許が下りるか直前まで分からない状況では採用が難しい。一定の資格要件

(例:TOEFL何点)を満たせば、校長の裁量で採用できる仕組みにすれば活用が進む。

○ 大学院生やポスドクについて、特別免許を含め学校現場で活用してほしい。

○ 広く社会の多様な人材を教育界に迎えるため、教員免許の要件を緩和する必要。現

在の特別免許では限界がある。また、小学校と中学校を横断した「義務教育教員免許

(仮称)」を導入してはどうか。

○ 教師として必要な汎用的知識を学べば免許が取れる制度にどこまで変えていけるか。

○ リソースの配分には高度な経営企画力が求められるため、学校経営のコーチ型コン

サルが兼業で学校に入る制度も検討が必要。

(6)働き方改革等

○ 免許の要件緩和をしたら、本当に人が来るのか不安。給料だけでなく、働き方改革

と連動した時間の問題を含め、教職の魅力を高める必要。

○ 子供のウェルビーイングのため、教職員のウェルビーイングが必要。学校の仕事の

半分は、専門的知見も借りて、チーム学校でやるべき。

○ 統合型校務支援システム等による大幅な負担軽減をお願いしたい。また、ワーク・

ライフ・バランスのためにも、教職員のテレワークの積極的な導入も検討してほしい。

○ 部活と教員の働き方改革の両立として、教員が疲弊しないよう、変形労働時間制の

導入など仕組みを見直し、メンタルケアも行っている。

○ 免許を持つことで仕事上メリットがあるような職場が、社会全体で増える必要。



3.教育データの収集・分析・利活用、効果検証等

(1)教育のデータ収集・分析・利活用

○ デジタル化のメリットは、個々の子供たちの個性に応じていい教育ができるという

こと。様々な方法でデータを集め、フィードバックして適性を見つけていく必要。

○ データ取得のためCBTを含んだLMSが必須。スタディ・ログだけでなく、ライフ・

ログ、アシスト・ログも取り、教員支援システムを作る必要。子供のユニバーサルID

も必要。

○ 優れた先生方の知見を共有・提示する仕掛けをつくる必要。優れた教員のこういう

教材を使ってこういう指導をするとうまくいくという効果測定も含めたLMSや教員の

知を集積していくナレッジベースなどからアシスト・ログもとり、データによる効果

検証も含む「教員支援システム」「教員支援サービス」を考えてほしい。

○ クラウドを禁止している自治体は多くある。また、学習ログをビッグデータで使う

ためには、自治体ごとの条例やデータ形式が異なっていることが非常にネックになる。

○ データの利用範囲について、データのサイズが大きくなれば、分析スキルを持つ専

門家は限られてくる。なるべく公益に資する範囲で、利用者を広く定め、利用者の審

査が公平かつ透明性の高いものになることが重要。

○ データのオーナーシップは、児童生徒・保護者になるのかもしれないが、しっかり

確立する必要。パーソナルデータはしっかり書き込んでほしい。

○ データの紐づけは政策の検証のみならず、現場でも、家庭に困難を抱える子供を多

く抱える学校では、とても重要な情報になるので、指導の場面でも活用できると良い。

○ 現場に様々なデータがあるが、現場に研究の知見が来ず、政策とリンクしていない。

長期的な視野で予算をつけるべき。今あるものをどうつなげ、どういう意図を持って、

どんなアウトプットにつながるかが分かる人が全体をデザインする必要。

○ 中長期的な視点で改革をモニタリング評価し、整備することは大事。専門家の養成

について、初等中等教育だけでなく高等教育も含めて進めていく体制整備が大事。

○ データサイエンティストの育成と同時に、どう解釈・利用すればよいか伝えていく

必要。一方、子供の記録がデータとして蓄積することがマイナスに働いてはならない。

○ データの継続性が必要だが、学テでも同じ項目が継続していない、国研の社会情緒

的スキルの調査も中断しているなど、もったいないことが多くある。取り方に関して

は、活用を前提にとらないと、取り出して分析するまでに整理する労力が膨大になる。

○ 学力だけでなく、非認知能力なども含めた指標がどう時を経て変わってきているか、

長期的な動向を把握できるデータを取得すべき。さらに、パネルデータによって、ど

のような教育を受けた個人が、就職市場に入った後どうなるかを長期的に把握すべき。

○ 生徒にユニークIDを振ることで、生徒の能力や環境がどのように変化するかを追跡

すると同時に、教員についても同様に情報収集する必要。教員の指導方法や研修歴に

よって、どのように生徒の教育成果が変化するかを分析することができる。

○ 教育成果は短期よりも、むしろ長期的な成果の方が重要。この意味では、就学中に

とどまらず、学校を卒業した後の追跡が可能なスキームにする方が望ましい。

(2)効果検証、調査・研究・分析体制

(全般)

○ 平均学力はTIMSSで24年間、PISAで18年間の比較をしても、大きく変わっていな

い。教育格差も戦後ずっと大まかには変わらず存在。何回も「教育改革」や「学力向

上」が叫ばれてきたことを強く意識する必要。教育行政も実践も、今までと同じやり

方、延長線上で、突然学力の平均値がすごく上がったり、教育格差が明確に縮小した

りを期待するのは楽観的。意識的にデータで現状把握して、効果のある政策、実践を

見いだす試行錯誤とその知見化を重ねる必要。

○ 適切な研究知見とデータに基づいて議論すべき。「先行研究の明示」「分析者・担

当課の明示」「分析の手法を含む詳細の明示」の必要。

○ 教育の効果を検証できるデータベースが必要で、感傷的な施策を動かすのではなく、

本来こう変えたときに何を期待しているかに合わせた在り方を議論していく必要。

○ 教育格差の縮小のため、政策・実践に有益な研究を実施する前提として、①すべて

の政策についてデータによる現状把握を必須とする、②人事評価・賞罰には用いない、

③行政データの統合:自治体・学校・児童生徒・教員をIDで紐づけるべき。

○ ①子供の成長過程を解明するための長期的な縦断調査、②学校データの統合と定点

観測、③教員データの統合と調査、④ランダム化比較試験等を実施すべき。

○ 全学校のデータを取り、どういう学校にどういう教員がいてどういう状態なのかを

明確にする。その上で、できたら教員の全データも取り、端末が整備された時どうい

う対応が行われたのか、研修で授業がどう変わったかなどを可視化する必要。

○ 教員データの統合と調査について、現在誰が教員なのかがデータで分かっていない。

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このまま政策変更だけするなら、例えば、小学校免許を取りやすくなったことにより、

どういう学生が教職課程を履修するようになったか、教員免許を実際に取ったかなど、

分からないままになる。前後でデータを取ることを大前提にしてほしい。

○ データが無ければ政策決定できないというニュアンスがあったが、先生の現場感や

経験則は重要なログが残っている。生徒一人一人の顔色など、数字で見えないところ

にも重要なログが残っており、同じよう扱うように再検証すべき。

○ ①日本の教育研究を世界のスタンダードに、②文部科学省に省内の全調査を統括す

る「統計調査統括管理部」を設置、③主要大学に「教育調査研究センター」「教育政

策・実践データ科学講座」を新設する必要。

○ 各府省庁内に「統計調査統括管理」官を置いて、進行中の全調査を把握し、項目に

ついても統合や修正するなど整理する権限の付与、担当者の純増が必要。また、国際

水準のデータ貸与による研究と行政へのフィードバックの効率化の必要。

○ 教育効果を見るときデータ・エビデンスは簡単で良いので必要。ベンチマークとし

て、他校との比較を見せることで説得力が増すので、国が積極的に役割を担う必要。

○ データの分析は、校内に体制がなく大変。他方で、外部委託して分析だけできても

駄目で、仮説と考察は教員でないとできない。人材には非常に困っている。

 





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